生きる職場 小さなエビ工場の人を縛らない働き方

著者名 武藤北斗
出版社 イースト・プレス
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新聞やテレビなどのメディアで話題になった、エビ加工会社の取り組みがまとめられています。「出勤・退勤時間は自由(フリースケジュール)」「嫌いな作業はやらなくてよい」など、非常識とも思える数々の取り組みは、働きやすい職場を作るための一つの手段。もとは宮城県石巻市にあった会社ですが、東日本大震災の津波により流され、その後の福島第一原発事故の影響も考え大阪に移転しました。人の生死を目の前にして、人が人らしく働いて生きていく、そして会社を再建するうえで不可欠だったのが、この働き方でした。

どんな職場でも可能かと言えば、難しいかもしれませんが、まずは人との信頼関係を築くこと、どうすればみんなが働きやすくなるかを工夫していけば、自然と効率や生産性がついてくることがわかります。この会社が扱っているエビはパプアニューギニア産ですが、著者の父親の会社創業までの話からも「この親にしてこの子あり」、この会社の信念を感じます。